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篠原コラム「あなたの技術力を正しく表現できますか?」

わたしが毎月(最終水曜日)開催している「ヒューマンスキルアップセミナー」にて、今回のコラムタイトルと同じ講義を1月31日に行いました。

 そのとき、参加者に下記の内容を質問しました。

(コラムを読んでいただいている皆様も、ぜひ「自問自答」してみてください)

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★あなたの“技術力”を、下記の対象者に向かって正しく表現してください!

  (1)対象者Aさん……事務系の会社員(IT関係の技術知識はまったくありません)

  (2)対象者Bさん……あなたと同じ分野の技術者(技術者として10年以上の経験がある)

  (3)対象者Cさん……営業出身の経営者(中堅ソフト会社の社長として20年のキャリア)

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 当日参加した全員にお答えをいただきました。

 (1)から(3)について、明快に表現いただいた方もおりましたが、改めていろいろな対象者に「自らの技術力について説明してください」と問われると上手く表現できないことに気づかれたようです。

 対象者Aさんには、専門用語を使わずいかに自分の技術力を表現するかですが、物事の道理として「その(技術力など)」真髄を深く極めれば極めるほど、難しいことを易しく表現することができると言われております(もちろんわたしは“その”ような極意? は習得致しておりません)。

 ということは、Aさんは一番手ごわい相手ということになります!

対象者Bさんは、まさしく同業者ですから皆さんスラスラと自らの技術力を表現できましたが、ここである疑問が頭に浮かびました。それは、日頃から意外と自らの技術力をある程度理解できる対象者との対話が多いため、自らの技術力を表現する努力を怠っている傾向はないだろうか? と。

 ヘタをすると、相手に「このような技術ですか?」と、言われ、「はい、そうです」と答える。(なにか変?)

 ひどい場合は、自分の表現力の乏しさを棚に上げ、心の中で「この人、俺の技術力分かっていない!」と逆切れしてしまうことはないだろうか?(少し心配)

 対象者Cさんに対しては、相手が社長ということで単に技術力だけの表現ではなく、技術者としてどの様なことを考えて仕事をしてきたかなど、自己アピールを副えた回答が比較的多く合ったのは弊社がIT自営業者(個人事業主)をサポートする企業ですので参加者の自立心が高い現れかもしれません。

 ここまでが、わたしのセミナーの話ですが皆様は自ら「自問自答」した結果は、いかがでしたか?

 意外と表現するのは難しいと感じましたか、それとも失礼な質問になってしまいましたか?

 わたしが、技術者のキャリア相談を受けるとき、いつも感じることがあります。

 特に、キャリアが15年、20年(時には25年、30年)と比較的長い方の相談を受けるときに感ずることは数十枚に及ぶ「業務経歴書」を持参するのですが、わたしはいつも「この業務経歴書をA4一枚にまとめて頂いて3分で説明して下さい」と、お願いしますと……皆さん、大変困った顔をされます。

 これは、なにが困ったのでしょうか?

 1つの原因として、「キャリア」=なにを、やってきたのか?

            「スキル」=なにが、できるのか?

 この2点の内容が、互いに入れ込んで……「それで、なにができるの?」の疑問? が湧く表現(記述)になってしまっているケースや、昔々の経験で賞味期限が切れた技術を後生大事に引きずっている場合が多いのです。

 これは、いろいろなことをたくさん経験したことが有利(良いこと)と思う価値観があるからだと考えられます。

 「なにをやってきたか」の表現も大事であるが、「なにができる」だから「なにをしたい(する)」を正しく表現すれば、過去の長々とした「業務経歴書」から簡素で将来性のある「業務“掲”歴書」(わたしの造語)が出来上がります。

 ……・・余談ですが、わたしの口癖は「変えようのない過去を引きずるのではなく、これからどのようにでも変えられる“今日から明日のために”もっともっと頭も時間も使え!」と申し上げております。

 技術の習得は、いろいろなことを数多く経験することも大事です。しかし、どの様な技術の習得でも「質」と「量」のバランスが必要です。「量」の集積が「質」を生む場合もあるが、「質」は求める技術への目的意識(使命感)と情熱が技術者魂の根っこにないと高まらないとわたしは考えております。

 習得した技術は、現実的な話をすれば生活の糧を得るために使うものであることは当然であるが、この目的意識が大きいほど、実は、先々食えなくなる原因となってしまう危険性がある。

 それは、自らが求める技術的目的意識より生活のため、金になる仕事があれば器用にOJT、OJTで仕事を請けて生活しているうちに、技術が「質」から「量」になってしまい、「なんでもできます」=「なにもできません」の“恐怖のスパイラル”にはまることです。

 技術力を正しく(分かりやすく)表現できるためには、経験(習得)した技術の1つひとつを説明しても技術の用語辞典を読んでいるようで、ある程度の技術知識がないと理解させ難いものです。

 1つのテクニックとして、「例え話」が大変に便利です。

 ……例えば、「長年かけて“多く”の技術を習得したのに、なぜ自分の仕事が年々減るのか?」と、嘆くベテラン技術者がおりました。

 そこで、「例え話」をしてあげました。

 ……「平屋建ての10軒を、たてに積み上げて10階建てのビルはできませんよ! なぜか、分かりますか?

   10階建てのビルには、十階建ての基礎工事と10階建てを支える柱の構造が必要です!」と。

 そして、質問します。

 ……「あなたの技術力の基礎が何ですか?」、「あなたの技術力を支える柱はなんですか?」と。

 ここで、わたしの経験則からアドバイスします。

 まず、ご自身の売り(技術力)を整理しましょう!

 「測れるものは進歩する」と言われます。

 心がけることは、「分かりやすく=見やすい」がポイントです。

 (1)時系列に整理されている

 (2)図、式が多い(文字が少ない!)

 (3)色彩が豊富である

 (4)プライオリティーが明確である

 (5)自信を持って、よくしゃべる(日頃が大事……)

 (6)技術以外にも、よく勉強する(歴史、文学……)

 (5)(6)はドキュメントに記載するものではありません。が、“これが”(1)から(4)に命を吹き込みます!

 (1)から(4)を、クリアーファイルなどを活用して、自らの“キャリアファイル(作品集)”をつくることです。

 作品は、学生時代のプログラムやアウトプットなどから、仕事での作品も同様にファイリングすることです。勿論、機密保持やプライバシーに関する問題を十分に配慮することは当然です。

 もし、すべての作品が法的問題で作品を第三者に公開できないのもであれば、反面、すごい仕事をした!? ともいえますが、それはそれでいろいろな表現ができるとも考えられますね。

 前回のコラムテーマであった、「なぜ、IT技術者が人気職種でなくなったのか?」の原因や、技術力を客観的あるいは定量的に把握(評価)することへの提言など、多くの皆様からコメントいただきました。

 いただいたコメントは、今後のコラムやヒューマンスキルアップセミナーの血肉とさせていただきます。

 お1人おひとりに返信できませんでしたが、改めて貴重なご意見やご指摘をいただき、お礼申し上げます。

もう一つ、私の想い(行動)をお話します。

それは、IT業界に「法律」をつくりたい!という想いです。(ただいま、遅々としつつも行動中)

建築業界にる「建築基準法」に匹敵するものを、とは現状考えてはおりませんが、少なくても「直接ものをつくった技術者や責任者の氏名やドキュメントを“ソフトウェア基本法(仮称)”で制定する」程度の法制度整備したいと考えおります。

このことが実現できれば、IT技術者の社会的地位の向上や技術者自身にも技術者のとしての自覚と責任観が大きく変わると確信しております。これは大袈裟な言い方をすれば、IT業界の発展となり、日本の国力(技術力)の向上といえます。

このことは、次回のコラムでもう少し詳しくお話をしたいと思います。

以上

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