年も改まりましたので、本コラム名とした「技術立国への復活!」のために、もっとも“肝”となるお話をしたいと思います。
古い話で恐縮ですが、わたくしがIT業界(その昔? コンピュータ業界といってました)で仕事を始めたのは昭和45年(1970年)です。当時、コンピュータ技術者は憧れの職種で、各大学では情報工学部的な学部が増え、巷ではコンピュータ専門学校が続々開校し始めていた時代です。
パソコンがない時代ですので、技術者たちは大型コンピュータを順番で使うのが日常で、昼夜なく群がり? 仕事しておりましたので、1カ月の作業時間が300時間超は定番で、時には400時間を超えることもありました。が、モチベーションが下がるどころか「これがコンピュータの仕事だ!」と息巻いていました。
10年一昔、など言われながら四昔も経ち、ましてやドックイヤーなどと言われて久しい今日を考えれば当然だが、憧れのコンピュータ技術者の職種は、新3Kだの5K、7Kなどと揶揄されて敬遠される存在となってしまった。
また生まれ変わることができたなら、再び“コンピュータ技術者”になりたいと思っているわたしにとっては、大変悲しい事態に心を痛める日々が続いております。
しかし、残念ではあるが敬遠される原因については、心あたることが多々あります。
過日、今回のコラムタイトルと同じテーマで日本を代表するシンクタンクのコンサルタントと話をしたことがあります。そのとき彼は、彼なりに次のような意見を言ってくださいました。
……1980年代から1990年代半ばに掛けて、Windowsが頻繁にアップデートリリースされるなど、次から次へと新しい技術が登場し、IT業界の技術者は技術をキャッチアップしなければならないつらさはあったものの、新鮮さと将来の成長を感じた時期であったと思います。
しかし、2000年以降新たな技術が登場することなく、昨今ではシステムの部分を担当するケースが増え、「やらされ感」が蔓延しているように思われます。
そのため、「このまま今の業務を続けていって将来大丈夫なのだろうか?」と不安を感じている技術者が多いと思います。それが、人気業種でなくなった一番の原因ではないかと思います(深夜まで頑張っている、顧客に怒られている先輩や管理職を見ていて、「夢」と「希望」が感じられない)。
この意見には、わたしもまったく同感でした。
そのほか、議論の中でいろいろな原因に言及しましたが「技術者といいながら、保有する技術力を客観的あるいは定量的に評価できなくて、人材は育つのだろうか?」と、いった問題や「技術者が育つのは、自己責任・企業責任・行政責任のうち、どの順位で責任があるのだろうか?」などなど。
わたしの強い思いの1つに、“技術者の評価”があります。
技術者の皆さんは十二分に理解していることではありますが、できのいい(明確な基準はありませんが)技術者と、そうでない技術者とでは仕事の出来に関して、質量共に10倍、20倍、いやそれ以上の差があることがあります。しかしながら、その仕事の対価は倍どころかあまり差が無いのが現実です。
これでは、できのいい技術者ほどモチベーションが下がってしまう。でも“この”仕事が好きで(したくて)技術者家業を続けているできのいい技術者がたくさんいることも、わたしはよく知っています。
余談ですが、技術的(人間的にはわかりません)には優れているが、やたらに好戦的であったり、非協力的であったり、反社会的? であったりする技術者を見るにつけ……「自分の技量を正しく評価されていないのかなぁ」と思うことがあります……反面、「もう少し我慢して立ち振舞えば、もっと高い評価が得られるのに残念だぁ」と、思うこともまたあります。
更に、もう1つの思いを述べます。わたしたちの仕事の役割をPM、PLやSE、PG(プログラマ)などで表現すること、表現は表現としていいのですが、仕事の工程(上流から下流)――即ち上等な仕事から下等な仕事のように考えたり思うことについてです。
もちろん、業界のすべての人が、とは申しません。しかし業界の中の人でも、技術者たちの仕事がどのような仕事なのかを理解していない方々は、プログラマは一番技術力が低い人と思っています。
その証拠に、月単位でPM@100万円、PL@80万円、SE@70万円、PG@55万円の単価テーブルを使っていた企業がたくさんありました。いまは不景気やデフレの市況下で、とてもとてもこのような単価は望めませんが、でも単価の順位は変わりません。
(……単価の話にあわせていいますと、先ほど書いた“技術者の評価(対価)”を単価月などで契約することにも矛盾があります)
プログラマの仕事は、システムを正しく実行させための最終責任者です。
いかに優れた設計をしても、プログラミングに問題があれば改新のアルゴリズムも求めたかったパフォーマンスも水の泡です。ゴルフでいえば、ショートホールでワンオン、ピンそば30センチにつけたのに3パットするくらい情けない(悔やまれる)状況と同じです(わたしは、ゴルフよりマラソンが好きでが……19年走っています)。
プログラマほど技術力の差が明確に出ます。したがって、プログラマの技術力の評価を正しくすることは、さほど難しくないとわたしは考えておりますが、初対面の技術者を業務経歴書や聞き取り調査だけで的確に技量を把握することは簡単ではありません。
これまで、数千人を越える技術者を面談したり相談に乗って参りましたが、技術者の力量を客観的あるいは定量的に把握(評価)することは、確かに難しいものであると感じております。しかし、この1点でも改善することができれば、更なる改善につながって、結果として多くの技術者のモチベーションが向上し、その姿を見た若き人材が、新々3K「かっこよく、健康に、稼げる」IT技術者を目指そう! という環境が作れると信じております。
そのために、1人でも多くのご意見を期待します。
そして、次回はいただいたご意見とわたしの経験則を取りまとめ、わたしなりの提言を試みたいと考えております。
古い話で恐縮ですが、わたくしがIT業界(その昔? コンピュータ業界といってました)で仕事を始めたのは昭和45年(1970年)です。当時、コンピュータ技術者は憧れの職種で、各大学では情報工学部的な学部が増え、巷ではコンピュータ専門学校が続々開校し始めていた時代です。
パソコンがない時代ですので、技術者たちは大型コンピュータを順番で使うのが日常で、昼夜なく群がり? 仕事しておりましたので、1カ月の作業時間が300時間超は定番で、時には400時間を超えることもありました。が、モチベーションが下がるどころか「これがコンピュータの仕事だ!」と息巻いていました。
10年一昔、など言われながら四昔も経ち、ましてやドックイヤーなどと言われて久しい今日を考えれば当然だが、憧れのコンピュータ技術者の職種は、新3Kだの5K、7Kなどと揶揄されて敬遠される存在となってしまった。
また生まれ変わることができたなら、再び“コンピュータ技術者”になりたいと思っているわたしにとっては、大変悲しい事態に心を痛める日々が続いております。
しかし、残念ではあるが敬遠される原因については、心あたることが多々あります。
過日、今回のコラムタイトルと同じテーマで日本を代表するシンクタンクのコンサルタントと話をしたことがあります。そのとき彼は、彼なりに次のような意見を言ってくださいました。
……1980年代から1990年代半ばに掛けて、Windowsが頻繁にアップデートリリースされるなど、次から次へと新しい技術が登場し、IT業界の技術者は技術をキャッチアップしなければならないつらさはあったものの、新鮮さと将来の成長を感じた時期であったと思います。
しかし、2000年以降新たな技術が登場することなく、昨今ではシステムの部分を担当するケースが増え、「やらされ感」が蔓延しているように思われます。
そのため、「このまま今の業務を続けていって将来大丈夫なのだろうか?」と不安を感じている技術者が多いと思います。それが、人気業種でなくなった一番の原因ではないかと思います(深夜まで頑張っている、顧客に怒られている先輩や管理職を見ていて、「夢」と「希望」が感じられない)。
この意見には、わたしもまったく同感でした。
そのほか、議論の中でいろいろな原因に言及しましたが「技術者といいながら、保有する技術力を客観的あるいは定量的に評価できなくて、人材は育つのだろうか?」と、いった問題や「技術者が育つのは、自己責任・企業責任・行政責任のうち、どの順位で責任があるのだろうか?」などなど。
わたしの強い思いの1つに、“技術者の評価”があります。
技術者の皆さんは十二分に理解していることではありますが、できのいい(明確な基準はありませんが)技術者と、そうでない技術者とでは仕事の出来に関して、質量共に10倍、20倍、いやそれ以上の差があることがあります。しかしながら、その仕事の対価は倍どころかあまり差が無いのが現実です。
これでは、できのいい技術者ほどモチベーションが下がってしまう。でも“この”仕事が好きで(したくて)技術者家業を続けているできのいい技術者がたくさんいることも、わたしはよく知っています。
余談ですが、技術的(人間的にはわかりません)には優れているが、やたらに好戦的であったり、非協力的であったり、反社会的? であったりする技術者を見るにつけ……「自分の技量を正しく評価されていないのかなぁ」と思うことがあります……反面、「もう少し我慢して立ち振舞えば、もっと高い評価が得られるのに残念だぁ」と、思うこともまたあります。
更に、もう1つの思いを述べます。わたしたちの仕事の役割をPM、PLやSE、PG(プログラマ)などで表現すること、表現は表現としていいのですが、仕事の工程(上流から下流)――即ち上等な仕事から下等な仕事のように考えたり思うことについてです。
もちろん、業界のすべての人が、とは申しません。しかし業界の中の人でも、技術者たちの仕事がどのような仕事なのかを理解していない方々は、プログラマは一番技術力が低い人と思っています。
その証拠に、月単位でPM@100万円、PL@80万円、SE@70万円、PG@55万円の単価テーブルを使っていた企業がたくさんありました。いまは不景気やデフレの市況下で、とてもとてもこのような単価は望めませんが、でも単価の順位は変わりません。
(……単価の話にあわせていいますと、先ほど書いた“技術者の評価(対価)”を単価月などで契約することにも矛盾があります)
プログラマの仕事は、システムを正しく実行させための最終責任者です。
いかに優れた設計をしても、プログラミングに問題があれば改新のアルゴリズムも求めたかったパフォーマンスも水の泡です。ゴルフでいえば、ショートホールでワンオン、ピンそば30センチにつけたのに3パットするくらい情けない(悔やまれる)状況と同じです(わたしは、ゴルフよりマラソンが好きでが……19年走っています)。
プログラマほど技術力の差が明確に出ます。したがって、プログラマの技術力の評価を正しくすることは、さほど難しくないとわたしは考えておりますが、初対面の技術者を業務経歴書や聞き取り調査だけで的確に技量を把握することは簡単ではありません。
これまで、数千人を越える技術者を面談したり相談に乗って参りましたが、技術者の力量を客観的あるいは定量的に把握(評価)することは、確かに難しいものであると感じております。しかし、この1点でも改善することができれば、更なる改善につながって、結果として多くの技術者のモチベーションが向上し、その姿を見た若き人材が、新々3K「かっこよく、健康に、稼げる」IT技術者を目指そう! という環境が作れると信じております。
そのために、1人でも多くのご意見を期待します。
そして、次回はいただいたご意見とわたしの経験則を取りまとめ、わたしなりの提言を試みたいと考えております。
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